高齢期の家のメンテナンス費用はどのくらい?

パソコンで家の維持メンテナンス費用を見積る夫婦のイラスト

 高齢期の後半に支出があまり出ないように、そして「住まいの耐用年数と住まう期間がそろっていること」もポイントかも知れません。「自分たちが住み終えた後、この家をだれがどのように使うか、使わないか」という見通しも関係します。

 

住まいのメンテナンスは「故障が起きてから」と「予想して事前に」(予防保全と言います)という考え方があります。

「どれだけ使えるか」(耐用年数)も、お客様のご経験やお考えで違いがあります。


前にいつ交換・修繕して、次はいつ頃か、チェックしてみましょう

給湯器から始めて、外壁やトイレそして浴室、洗面などの部位で考えます。

前のメンテナンスからの年数、これから使い続ける年数、更新までの期間の想定からこれからのメンテナンスの可能性を予想します。あくまでも「今の心づもり」です。一度記入してみて、それから改めて考える、という感覚です。

先のことは分かりませんが、「一応考えて、先ず今後10年程度のつもりをしておく」ことがポイントです。

そして、「体力・気力・経済力」のある内にできる事を考えましょう。

高齢期の家のメンテナンス内容、費用を想定する一覧表の記入例。給湯器、外壁、屋根、トイレ、浴室、洗面、キッチン、エアコンなどの部位別に、これまでの交換時期、使用年数から今後5年以内、10年以内の工事予定などを想定し、費用を計算する。

記入例

夫45歳の時に戸建て新築

現在 夫70歳 妻68歳の想定です

(マンションでは外壁、屋根・屋上

 を飛ばしてください)

 

比較的「記憶の確かな」給湯器の交換から確かめます。

これまで2回交換しています。

外壁と屋根は築13年目に一度塗装をやり替えています。

浴室は新築以来手を入れていません。出入口を引き戸にしたり手すりを付けたりを考えています。

キッチンはどうするか未定です。コンロは1回交換しています。

トイレは現状問題ありませんが、将来高齢者向けの機器にするという可能性が?です。

クロスは一度は張り替えが必要の様です。

カーテンは費用のわりに家の印象が変わり良くなるので、交換を予定します。


記入用の用紙はこちらからダウンロードしてください。

ダウンロード
メンテナンスの心づもり表PDF
記入用の用紙です。
メンテナンスの心づもり表(V3.0).pdf
PDFファイル 120.0 KB

住まいのメンテナンス(設備関連)※1

部位        メンテナンス内容       

参考※2:耐用年数・費用

給湯器

ガス給湯機の耐用年数は使い方にもよりますが10年から15年が目安です。途中定期点検、消耗品等の交換が必要になります。

これまでの交換年数を確認しましょう。

 耐用年数:10年

本体交換:30〜70万

ユニット

            バス

ユニットバス本体の耐用年数は20年から25年が目安です。

5年から10年を目安にシーリング材・ドア点検・補修、換気扇点検・部品交換のメンテナンス必要になります。

部品メンテナンスによって長持ちします。

 

耐用年数:20年

本体交換:100〜250万

トイレ

便器本体の耐用年数は20年から25年が目安です。使用方法によりますが内部部品(パッキン、パイプ等)の交換は必要になます。

ウォシュレットは使用方法によりますが耐用年数は10年と言われています。

トイレの性能が向上してますので電気代、水道の節約にもなりますので合わせて検討することをお勧めします。

 

耐用年数:20年

本体交換:20〜40万

 洗面化粧台

 洗面化粧台の耐用年数は20年から25年が目安です。水栓の耐用年数は他の水栓と合わせてのメンテナンスをお勧めします。パッキングは消耗品なのでその都度交換です。

物理的な寿命は問題ありませんが家族構成の変化と共にリフォームを考えらると良いと思います。

 

耐用年数:20年

本体交換:20〜40万

キッチン

キッチンの耐用年数は20年から25年が目安です。

使い方によってシンク、水栓、コンロ(ガス、IH)、換気扇、食洗機等の定期点検、交換が必要になります。

物理的な耐用年数以外に年齢、家族構成によりリフォームが必要になります。

 

耐用年数:20年

本体交換:100〜300万

エアコン

対応年数は10年が目安です。メーカー保証期間は1年から5年ですが、大きな音、効きが悪くなたり、匂いがきつくなったときが交換時期です。

10年近くなったら当然機器の性能も向上しています。省エネで電気代の軽減にもなりますのでそれも踏まえて検討された方が良いかと思います。

耐用年数:10年

本体交換:10〜20万/台

住まいのメンテナンス(建物関連)※1

部位  メンテナンス内容

 参考※2耐用年数・費用

 外壁塗装・屋根・防水   建物の耐久性向上に最も重要です。一般的には不具合が生じた時点で対応することが多いのですが、定期的にメンテすることで耐久性向上につながります。

 

 

屋根

スレート屋根

(カラーベスト)

スレート瓦の耐用年数は20年から30年が目安です。屋根材のズレ、割れ、塗装の劣化、及び庇、雨押え、水切等の金属使用部分。破風等の木造部分の定期的なメンテナンスをお勧めします。  25年〜35年:増貼り、葺替え

費用140〜180万

鋼板屋根

(瓦棒葺き)

鋼板屋根の耐用年数は20年から30年が目安です。屋根材の錆び、塗装の劣化。破風等の木造部分の劣化を点検し再塗装などのメンテナンスすることをお勧めします。

 25年〜35年:増貼り、葺替え

費用140〜180万

(セメント系瓦、日本瓦)   

瓦の耐用年数は50年以上ですが、10年から15年ぐらいで、割れ、破風等木造部分を定期的点検しメンテナンスすることをお勧めします。 

 25年〜35年:増貼り、葺替え

費用140〜180万

 防水

(シート防水)

 シート防水の耐用年数は20年から30年が目安です。立地や天候にもよりますが、排水の状況、雑草の有無、防水シートの劣化等の目安です。

 25年〜35年:増貼り、葺替え

費用130〜170万

 

 外壁塗装

 

 

窯業系

サイディング

窯業系サイディングは、シーリング材と一緒にメンテナンスを検討することが経済的です。シーリング材の耐用年数10年ごとの塗装材の劣化等を点検することをお勧めします。

 25年〜35年:目地打ち換え、塗装、増貼り、貼替え

費用30〜250万

吹き付け仕上

(モルタル下地)

 外壁付け材の種類・工法で多少違いはありますが、10年ごとに、表面仕上げ材の劣化、モルタル下地のクラック、水切り等の金属部分を点検しメンテナンスをお勧めします。 

 25年〜35年:表面塗装、増貼り

吹替等:60〜250万

外部建具関連

作動時の異常(異音)を感じたら早目の対応が大切です。日常の点検、補修、消耗品(クレセント、タイトゴム)交換が耐久性向上のに繋がります。

交換費用例

玄関ドア:25〜50万

サッシ:15〜30万

※1:日常のお手入れ等はお引き渡時の「住まい方の手引き」、メーカ―の「取扱い説明書」を参照してください。

※2:費用については住宅産業協議会「住いと設備のメンテナンススケジュールガイド60」を参考にしています。建物は延床面積145㎡程

 度、2階建一般住宅、通常用いられる仕様で2019年時点の概算費用(税抜き)です。使用条件、立地条件、建物条件(仕様)、周辺条件

 により異なります。正しい使い方とこまめなお手入れ、早目の消耗品交換、定期点検が建物の長持ち、快適な生活に繋がります。